50 Anchan 00 / 51 Anchan D

Anchan (00:Smallbody)

Anchan (D:Dreadnought) 【現在所有】

 Anchan(アンチャン)は北海道のルシアー、安藤氏のブランドで、トッププロも使用している。新品販売は主にヤフーオークションで行われているため定価というものは基本的に無い。しかし、anchanギターそのものも、安藤氏の情報も、ネット検索してもあまり出てこないため謎に包まれていた。私も1~2度ネットで名前を見たことはあるレベルであったが、AnchanのJ-45タイプの中古が大阪の楽器店に出ているのをネットで見つけ、試奏すると値段からは考えられないような良質のギターだったため即購入した。

 購入後、anchanギターを非常に気に入った私は、安藤氏に直接製作を依頼できないかと様々な方法で調べてみたが安藤氏のホームページなどはなく、情報は全く得られなかった。仕方ないのでヤフーオークションで安藤氏がanchanの新品ギターを出品するまで待つことにしたら、数ヶ月後にGibson LGサイズ小型ボディの魅力的な新品のanchanギターが安藤氏から出品された。今までのanchanのフラットトップの外観はほぼすべてGibsonのコピーであったが、今回のはボディサイズとピックガードはGibsonのLGタイプであるが、ヘッド形状はオリジナルで、ロゼッタはアバロンという手工っぽいデザインのギターであった。
 すぐに質問欄で基本仕様のギターを直接製作依頼したときの値段を聞き、出品されたギターを落札できなかった場合は製作依頼を行うことにし、オークションに臨んだが、制作依頼時の価格まで跳ね上がったため、入札をやめた。

 その後、10回以上安藤氏とメールのやり取りをし、材やデザインやパーツや寸法などかなり細かい所まで指定をして、製作発注した。それでも基本仕様料金からさほど上がらなかった。今までの感覚では自分の気に入った音のするギターを個人ルシアーに材やサイズやデザインまで含め多くの項目を指定して製作依頼すると、安くて30〜50万円、上は百万円以上を覚悟せねばならないものという認識だったが、anchanギターは十万円台から色々指定して製作してもらえる。今まで何十年、多くの手工ギターを見てきたが、コストパフォーマンスの高さにおいてanchanギターは私が知る限りトップレベルである。今後は入手が難しくなっていくであろうと予想し、小さめの00サイズと、大きめのドレッドノートサイズの2本を発注した。安藤氏に伝えた2本のイメージは、デザインのベースは同じフィンガーピッキングメインの兄妹ギターで、小さいが明るく元気な妹の00ちゃんと、大きくて頼りがいと深みのある兄のドレッド君である。二人の共通点は、トップがシトカスプルース、ネックは5ピースでやや広めのやや薄め、14フレット接合、小さめのベリーブリッジ、ロゼットはアバロンのワンリング、ヘッドデザインやペグも同じにし、ピックガードは貼らずに添付とした。相違点はボディサイズ以外では、サイドとバックが00はマホガニー、ドレッドはインディアンローズウッド。トップのブレイシングが00はスキャロップ、ドレッドはノンスキャロップのテーパー。スケールが00はショート630mm、ドレッドはメディアムで637mmである。

 半年後に、まず00サイズが出来上がって来た。サイズの割りには重量があり、持った感じはしっかりとしている。ネックは指定通りのやや広めのやや薄めでフィンガー主体のギターとしては私の理想である。弦高も指定通りの低めで非常に弾きやすい。音もイメージ通りでまさに、小さいが明るく元気な妹の00ちゃんという感じである。サイズから低音はややひかえめであるが、中高音の伸びが素晴らしく、特に中音がよく出ている。低音と高音重視の中抜けギターが最近多いからか、斬新な感じがする音である。まさに思っていた通りであった。

 その2週間後にDサイズが送られてきた。ネックシェイプは00タイプと全く同じで非常に弾きやすい。anchanギターはマホガニーバックが多く、半年前に手に入れたマホガニーのJ-45タイプと比べて、ローズウッド系はどのような音になるか楽しみであったが、期待通りの音であった。倍音成分が多く、きらびやかな感じで、やさしさの中にも芯があり大きな広がる音である。 

 また、この2本はフィンガー系を中心として弾くつもりであったため、ピックガードはギターに貼らずに添付してもらった。しばらくはピックガードなしで弾き、弾きキズが目立ってきたり、デザインに変化が欲しくなった時に貼ろうと思っていた。

 しかし、ピックガード無しと有りで音に変化があるのかないのかも確認できるため、フラットピッキングにも対応できるDサイズの方で比較実験を行い「ギター比較動画」で公開している。はたして、ピックガード無しと有りの音の変化は人間の耳で判別できるのであろうか。