K-Yairi YF-018B
ヤフーオークションで値段の割りに良さそうなギターを見つけた。ボディはMartinの0タイプで小ぶり、ナット幅42mmでネックも薄めで握りやすい、弦高も低め、スケールは635mmで弦のテンションも低め、ノンスキャロップブレイシング、トップはスプルース単板だがサイドとバックはマホガニー合板、ピックガードあり、塗装はポリウレタンつや消し、日本のトップメーカーであるK-Yairiの2008年製で定価の半額ほどで落札した。
オークションタイトルに「超美品」とあったが、実物を見てみるとフレットの減りは皆無、傷らしいものはほとんどなく、ピンを抜くときに付いたような軽微な筋がブリッジに付いている程度であった。この傷は2000番の水ペーパーできれいに取れた。また、オークションの説明文にピックガードに弾き傷ありと書いていたが、新品時にピックガードに貼られている保護フィルムが貼られたままで、そのフィルムに弾き跡があった。普通は弾いているうちに端から徐々にフィルムが剥がれてくるのであるが、このギターは剥がれてくるほど弾かれていないので前の所有者はフィルムの存在に気づいていないようであった。当然のごとく、フィルムを剥がすと無傷のピッカピカのピックガードが現れた。これにより、新品未使用の新古品として売れそうな状態になった。弦高は最初12フレットで6弦2.2mm、1弦2.0mmと十分低かったが、ネックの状態が非常に良く、サドルもまだまだ余裕があったので、サドルを削って6弦2.1mm、1弦1.7mmにし、さらに弾きやすくなった。
音に関しては、ボディがMartinシングルオゥと同型の小型サイズでショートスケール、サイドバックは合板のため、定価を考えても高度な要求はできない。さらに、スケールが635mmにしては押弦時の弦圧テンションがやや高めに感じられ、トップのブレイシングが強めのようである。これとスモールボディのためトップの振動エネルギーが少なめで高音寄りの音になっている。このように深みはあまりない音ではあるが購入価格を考えれば十分な音であり、強めのブレイシングは音にとってはマイナスであるが「丈夫で扱いやすい」という条件には非常に重要な要素であると言える。